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体験記

【PR】頭皮マッサージ、あれって意味あったのか。10日で挫折した過去を今さら検証してみた話

公開日: 2026年7月7日

【PR】頭皮マッサージ、あれって意味あったのか。10日で挫折した過去を今さら検証してみた話

導入

クリニックに行く前、私は自助努力をいくつか試していた(当時の話はこちら)。

その一つが、YouTubeの頭皮マッサージ動画だった。

「頭皮の毒素流しヘッドスパ」「育毛ルーティン」「美顔ヨガを兼ねたマッサージ」といったタイトルの動画を3本ピックアップし、毎日合計30分ほど。朝、または風呂上がりに実施していた。

10日で挫折した。30分は思っていたより長く、しんどくなってやめた。

あれから治療を始めて1年半。フィナステリドとミノキシジルの合剤を毎朝1錠飲む生活が習慣になった今、ふと思い出した。

「あの頭皮マッサージ、そもそも意味があったのか。挫折して終わったが、続けていたら何か変わっていたのか」

というわけで、今さらだが調べてみた。


1. 頭皮マッサージに関する研究はあるのか

調べてみると、頭皮マッサージと毛髪の関係を調べた研究がいくつか存在した。

よく引用されるのは、2016年に発表された小規模な研究だ。9人の男性が、標準化されたマッサージ器具を使って1日4分間の頭皮マッサージを24週間続けたところ、毛髪の太さがわずかに増加し、抜け毛に関連する遺伝子の発現に変化が見られたと報告されている。

考えられているメカニズムは、マッサージによる物理的な伸展刺激が頭皮の中の毛乳頭細胞に伝わり、毛髪の成長に関わる遺伝子の働きに影響する、というものだ。

ただし、この研究にはいくつか注意点がある。

  • 対象がわずか9人と少なく、大規模な追試で確認された結果ではない
  • 効果として確認されたのは「毛髪が太くなる」ことであり、AGAの進行を止める・新しく生えるという話とは別
  • 使われたのは標準化されたマッサージ器具による一定の刺激であり、私がYouTube動画で真似ていた手技と同じ条件かどうかは分からない

海外ではこの他にも、複数人を対象にした自己申告ベースの調査(1日2回・半年以上マッサージを続けた人の多くが抜け毛の減少や密度の改善を感じたと回答)もあるが、これも「本人の主観的な実感」の集計であり、厳密な臨床試験ではない。

つまり、「頭皮マッサージにはまったく根拠がない」とまでは言えないが、「AGA治療の代わりになる」というレベルの根拠でもない、というのが実際のところのようだ(効果や体質には個人差があります)。


2. AGAクリニックの見解を見ても、位置づけは「補助」

複数のAGAクリニックの公開情報を見ても、頭皮マッサージの位置づけはおおむね共通していた。

AGA(男性型脱毛症)の主な原因は、遺伝的要因と男性ホルモン由来のDHT(DHTの仕組みについてはこちら)だとされる。頭皮マッサージは血行を促す効果は期待できるとしても、この根本原因に直接働きかける治療法ではない。

そのため「マッサージだけでAGAが改善する可能性は低く、根本的な解決には至らない」「予防やサポートケアとして取り入れるのが適切」という見解が中心だった。

治療薬(フィナステリド・ミノキシジルなど)とマッサージでは、そもそも作用する仕組みのレイヤーが違う、というのが実情に近いようだ。


3. 当時の私のやり方、何が間違っていたのか

研究で使われていたのは「1日4分」。

私がやっていたのは「1日30分」。

改めて比べると、私のやり方は明らかにオーバーだった。

続けやすさより「たくさんやれば効果が出るはず」という発想が先に立っていたのだと思う。10日で挫折したのも、当然の結果だったのかもしれない。

もし仮に頭皮マッサージに多少の意味があるとしても、続けられなければ意味がない。1日4分なら、歯磨きのついでにでもできそうな量だ。当時の私は、それを30分に膨らませて自滅していた。


4. 今、あらためて思うこと

治療を1年半続けてきた今、頭皮マッサージへの向き合い方は当時とは違う。

治療の主軸は今も変わらずフィナステリド+ミノキシジルの内服であり、これは変えるつもりがない。マッサージは、あくまで「やってもやらなくても治療の根幹には影響しない、補助的な習慣」という位置づけで捉えている。

再開するかどうかは正直まだ決めていないが、少なくとも「1日30分」という当時のやり方はもうしない。やるとしても、続けられる範囲に留めるべきだと今なら分かる。


まとめ

整理ポイント

内容

研究の存在

小規模研究(9人、1日4分×24週)で毛髪の太さ増加・関連遺伝子の変化が報告されている

研究の限界

サンプル数が少なく大規模追試なし。AGAの進行を止める効果とは別の指標

位置づけ

治療薬の代替ではなく、あくまで補助的なサポートケア

私の過去の失敗

1日30分は研究の目安(4分)よりはるかに過剰。続かなかったのは当然だった

今の考え

治療の主軸は内服薬のまま。マッサージは補助として気が向けば検討する程度

10日で挫折したことを「自分は自助努力に向いていない」と結論づけていたが、今振り返ると、単に「やりすぎ」が原因だったようにも思う。何であれ、続けられる量に調整することが一番大事なのだと、1年半治療を続けてきて改めて感じた。


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出典 / 参考

  • Koyama T, et al. "Standardized scalp massage results in increased hair thickness by inducing stretching forces to dermal papilla cells in the subcutaneous tissue." Eplasty. 2016.
  • English RS, Barazesh JM. "Self-Assessments of Standardized Scalp Massages for Androgenic Alopecia: Survey Results." Dermatology and Therapy. 2019.
  • 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」